商業施設複合型マンションは資産価値もあり便利?メリットとデメリットを解説!

不動産

最近、都市部の主要な駅周辺などで市街地再開発プロジェクトによる複合施設が盛んに建設されています。

このような再開発では、建物は単一の用途ではなく、オフィス、マンション、商業施設、ホテル、公共施設などが組み合わさった複合施設が多く見られるようになっています。

マンションを購入する際に検討すべき選択肢として注目されているのが、複合型マンションです。

複合型マンションには、スーパーやコンビニなどの店舗、医療機関、保育所などが併設されており、通常のマンションにはない多くの利点があります。

このため、今回は複合型マンションについての基本的な知識や利点、欠点について詳しく解説していきます。

複合型マンションとは

一般的なマンションには、1階にエントランスや共用スペースなどがあり、それ以外の階層は主に居住用スペースとして利用されています。

一方、複合型マンションとは、マンションの一部にスーパーやコンビニ、フィットネスクラブ、保育園などの施設が導入されているタイプのことを指します。

代表的な形態としては、低層部に商業や公共施設、中層部にオフィス、そして高層部にマンションやホテルなどを展開するものが挙げられます。

市街地再開発プロジェクトにおいては、既存の土地所有者や駅前の店舗オーナーが関わることが多く、彼らの土地や建物の価値に応じた床面積を低層部に確保し、彼らが商売を続けたり店舗を運営するためのスペースを提供しています。

その上で、開発業者や建設会社が追加の容積を買い受け、中層部や高層部にオフィスやマンションを設置しています。

例えば、駅前に建つタワーマンションでは、1階にスーパーや小売店が入居し、2階以上が居住スペースとして活用されるパターンが見られます。

これが、複合型マンションの典型的な構造です。

複合型マンションのメリット

以下では、複合型マンションのメリットについてご説明いたします。

日常生活において利便性が高い

複合型マンションに住む際に最も注目される利点は、その利便性の高さです。

例えば、1階にスーパーマーケットがある複合型マンションに住んでいる場合、買い物が非常に便利です。

外に出て他のスーパーマーケットに行かなくても良いので、時間と交通費を節約できます。

特に悪天候の日には、天気を気にせずに買い物ができるので、利便性が非常に高いと言えます。

さらに、コンビニや郵便局、飲食店などがテナントとして入っている場合は、利便性がさらに向上します。

日常生活に直結するこの利便性の高さが、複合型マンションに住む大きな魅力となっています。

管理組合が家賃収入が得られる

マンションの管理を考えると、複合型マンションにはテナントからの家賃収入が得られるという利点があります。

通常のマンションでは1階がエントランスや住居となっており、管理費や修繕積立金が主な収入源となります。

しかし、複合型マンションでは1階スペースを貸し出すことで、より多くの収入を得ることができます。

これにより、収益の安定を図るだけでなく、将来の大規模修繕費用なども賄いやすくなるでしょう。

商業ビルなどは通常、1階が道路に面しているほど集客しやすく、したがって賃料も高くなりがちです。

複合型マンションも同様に、1階スペースからは高い賃料が期待できます。

一方で、複合型マンションは1階部分の物件価格が比較的低くなる傾向があるため、総合的に見ると「複合型マンションは、商業ビルのメリットで通常のマンションのデメリットを補っている」と言えるでしょう。

複合型マンションのデメリット

以下では、複合型マンションのデメリットについてご説明いたします。

管理組合の運営や会計処理が複雑化

複合型マンションでは、一般的には「住民部会」と「商業部会」の2つの組織が管理組合内で設立されます。

それぞれが住宅エリアと商業エリアを管理運営する役割を担っていますが、両者は同じマンション内で活動しているため、時には対立や意見の相違が生じることがあります。

このような構造から、通常のマンションと比較して、合意形成が難しくなる傾向があり、会計処理も複雑になることがあります。

そのため、複合型マンションはマンション全体の運営が容易に複雑化するというデメリットを持っています。

騒音が気になる

マンションにお住まいの際に気をつけたい点として、周囲の環境や施設からの騒音が快適な生活を阻害する可能性があることが挙げられます。

複合型マンションでは、近隣に夜間も営業している飲食店などが入居していることで、お客さんや店員からの声が響いてきてしまうかもしれません。

このような状況は活気溢れる一面もある反面、静かな環境を求める方にとってはストレスの原因となります。

同様に、スーパーマーケットの場合では、早朝から搬入作業に伴うトラックの音やフォークリフトの動作音、台車の音などが騒音として気になるかもしれません。

住環境を選ぶ際には、どのようなテナントが周囲に入っているか、またどんな時間帯に騒音が発生しやすいかを事前に確認することが重要です。

また、将来的なテナント入れ替えに備えて、どのような業態の制限があるかもあらかじめチェックしておくとよいでしょう。

臭気・虫・ネズミが発生しやすい

複合型マンションには多くの利点がありますが、一方で、食品を販売する店舗が入居している場合、生ごみや害虫(例:ゴキブリやネズミ)が発生しやすいという課題も挙げられます。

これは各店舗が適切な衛生管理を行っているかどうかに依存していますが、一部の店舗で管理が不十分な場合、問題が他の店舗やマンション全体に広がる可能性があります。

そのため、複合型マンションを検討する際には、このような特有のデメリットについて事前によく理解しておくことが重要です。

治安やマナーの悪化

複合型マンションにおける治安やマナーが悪化する可能性は、その建物に入退場する人が多いために高まる場合があります。

複合型マンション内のテナントは、単にそのマンションの住民だけではなく、他の人にもサービスを提供していることがあるため、多くの人が出入りします。

このため、マンション内を利用する人々の全てを見分けることは難しく、時にはマナーの悪い人も含まれる可能性があります。

その結果、ごみが散乱されたり、若者たちの集まり場となってしまう場合も考えられます。

従って、通常のマンションでは住民だけが利用するのに対して、複合型マンションでは外部にも開かれているため、治安やマナーの問題に苦労することがあるでしょう。

耐震性に不安

低層階に大型スーパーなどのテナントがあると、複合型マンションの耐震性が低下する可能性があります。

通常、店舗は柱や壁を少なくして開放的な空間を演出しますが、これが建物下部の耐震性を弱めることがあります。

日本は頻繁に地震が発生するため、耐震性が十分でないと身の安全が脅かされる可能性があります。

中古物件で古い「旧耐震基準」時代に建てられた複合型マンションは特に、大地震時に崩壊する危険性があるかもしれません。

ただし、耐震性について対策が施されている場合もあるので、心配な場合は個別に情報を収集し確認することをお勧めします。

まとめ

この記事では、複合型マンションにはスーパーやコンビニなどの店舗が入居しているという特性に焦点を当て、その利点や欠点、選び方についてご紹介しました。

個々人の生活環境や好みは異なりますが、複合型マンションはその特性から、利便性を重視して物件を探している方にとっては理想的な住まいとなるかもしれません。

ただし、単純に「便利そうだから」という理由でマンションを選ぶと、後で失敗する可能性もありますので、この記事で紹介したデメリットなどをよく理解した上で、自分に適したマンションを選ぶことが大切です。

複合型マンションには利点と欠点が入り混じっていますが、日常生活に直接影響を与える利点が魅力的です。

欠点については、入居する店舗によって異なるため、購入を検討する際にはテナントを確認することが重要です。

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