住宅を建てる場合、立地は住環境の快適さに大きな影響を与える重要な要素の1つです。
特に角地は、他の土地とは異なる特徴を持っており、人気が高いため、競争率が高くなるケースもよくあります。
では、角地のメリットとデメリットを詳しく見ていきましょう。
また、角地と似た特徴を持つ「準角地」についても解説します。
角地のメリット
角地とは、交差する2つの道路に接している土地のことを指します。
このような土地は、他の土地とは異なる特徴を持っています。
角地のメリットについて、詳しく見ていきましょう。
日当たりの良さと開放感
角地は、他の土地と比べて人気が集まる理由の一つは、日当たりの良さです。
通常の土地とは異なり、複数の方向から日差しが差し込むため、住居内部に光を取り込みやすくなります。
また、角地は隣地と接する部分が少ないため、風通しが良くなるという利点もあります。
特に都心部のような住宅が密集するエリアでは、明るく開放感のある住まいを作る上で、角地は非常に重要な条件となります。
間取りの自由度が高い
角地には、通常の土地と比べて間取りの自由度が高いというメリットがあります。
通常の土地では、玄関を道路側に設けることが一般的ですが、角地では2つの方向に道路が面しているため、どちらの方角でも玄関を配置することができます。
そのため、他の部屋の配置においても選択肢が広がります。
たとえば、日当たりの良い面にリビングを配置することができます。
また、駐車場と玄関の向きを思い切ってバラバラにすることも可能です。
これにより、家の周囲の環境や日照条件を最大限に活用したり、プライバシーを考慮したりすることができます。
さらに、角地ならではの特徴として、庭やガーデンを広く取ることができます。
周囲に建物がない方向があるため、開放感のある庭を作ることができるのです。
これにより、自然とのつながりを感じたり、家族や友人とのアウトドアスペースとして活用したりすることができます。
角地のメリットとして、プライバシーの確保や日当たりの良さ、庭の広さなど、自由な間取りによる様々な利点があります。
角地を選ぶことで、快適な生活環境を実現することができるでしょう。
資産価値が保たれる
角地の場合、もう一つの魅力は、その資産価値が比較的安定していることです。
将来的に家を売却することになった場合でも、角地は一般的に人気があり、他の地域よりも高い売却価格を期待することができます。
これは、周囲の土地に比べて利点となるでしょう。
角地のデメリット
角地は、通常、道路に面した二つの異なる方向を持つ土地です。
このような土地には、いくつかの利点があります。
まず第一に、角地は通常、他の土地に比べて広々としており、建物の設計や配置に多くの柔軟性を与えてくれます。
また、角地は通常、風通しも良く、日当たりも良い場所に位置しているため、快適な環境を作りやすいです。
さらに、通行する人や車の目に留まりやすいので、商業施設の場所としても魅力的です。
一方で、角地にはいくつかのデメリットもあります。
中地と比較して地価や建築コストが高くなる
角地は、周辺の土地と比較して地価が高くなるというメリットがありますが、その一方でいくつかのデメリットもあります。
まず第一に、角地は一般的に土地の価格が高いため、固定資産税や都市計画税などの税金額も、周囲の土地と比べて高くなります。
これは、土地の価格に応じて算出されるためです。
さらに角地は、通常の土地と比較して目立つ立地条件にあるため、周辺の住宅からの視線などに配慮しなければなりません。
そのため、一般的にはフェンスやブロック塀などの外構設置が必要です。
このような工事は、2面分の道路に接している場合に必要であり、通常の土地に比べて外構設置費用が高くなる傾向があります。
また、角地の場合は2つの道路に接しているため、通常の土地に比べて設計や建築に制約が生じる場合があります。
これにより、建築コストが高くなる可能性もあります。
以上のように、角地は地価が高くなるというメリットがありますが、固定資産税や都市計画税が高くなり、外構設置費用や建築コストも高くなる可能性があるというデメリットも考慮しなければなりません。
それでも、角地の特徴を活かした利用方法を見出すことで、魅力的な不動産投資や住宅購入の選択肢となるかもしれません。
防音・遮熱対策が必要
街路の交通量が多い場所では、車の騒音が気になることがあります。
特に大型トラックが通るような地域では、振動や騒音に対する対策が必要です。
また、日中から夕方にかけては西日が入りやすく、夏季には強い日差しが室内に入り込みます。
このようなケースでは、部屋の中が過熱してしまうのを防ぐために、窓や軒の配置を工夫したり、断熱性の高いデザインなどの対策が必要です。
日当たりに影響! 角地と方角の関係性
角地の日当たりの良さは魅力的な要素ですが、方角によってその特徴は異なります。
方角ごとの日当たりの傾向を理解することは、土地を購入する際に重要なポイントです。
南東角地の特徴
この建物の立地は、南側は日差しがよく、東側は午前中に日差しが良いということで、日当たりの面では理想的な場所とされています。
また、西側からの直射日光が少ないため、夏場でも室内の温度が上がりにくい状況です。
ただし、このような立地条件を備えた角地は他の土地と比べて価格が高くなってしまうことがありますので、コストとのバランスを考慮する必要があります。
南西角地の特徴
南側に面した土地の場合、日当たりの条件は非常に優れています。
特にリビングなどの共有スペースにとって理想的な状況です。
しかし、東側は他の建物によって遮られることがあるため、午前中は日差しが入りにくい可能性があります。
また、この土地は西日を浴びることが多いので、夏場には室温が高くなりやすいという点を注意する必要があります。
北東角地の特徴
北東の角地は、北西の角地と同じように日光の照り具合があまり良くないですが、東側に隣接する建物が存在しないため、朝の時間帯には十分な日差しを取り込むことができる特徴があります。
また、向かいの建物からの反射光や天空からの光を利用するなどの工夫を行うことで、北側からの自然光を取り込む能力を高めることができます。
これにより、北向きの住宅でも快適な環境を実現することが可能となります。
北西角地の特徴
北西の角地は、朝や昼間の日が当たる時間帯にはそれほど強く日が当たらず、逆に夕方には西日の影響を受けやすい立地条件と言えます。
十分な日光を確保するためには、北側にはある程度のスペースが必要になるため、周囲の状況を十分に調べておくことが重要です。
北西の角地は、他の方角と比べて日照条件があまり良くないとされていますが、一方で角地の中では土地の価格が比較的に低いというメリットも存在します。
“角地緩和”角地と建ぺい率の関係性
建ぺい率とは、特定の土地における建物の面積の割合を表す指標です。
一般的には、建ぺい率が高いほどその土地に建てられる建物の面積は少なくなります。
しかし、角地の場合、建ぺい率の角地緩和という制度が存在します。
建ぺい率の角地緩和とは
建ぺい率とは土地の利用効率を示す指標であり、土地全体の面積に対して建物の建築面積が占める割合を表しています。
自治体の都市計画法によって、土地の用途地域ごとに建ぺい率の上限が設けられており、その上限を超えないように建物を建築しなければなりません。
角地緩和とは、一定の条件を満たした角地に対して、建ぺい率が10%加算される仕組みです。
これにより、通常の土地よりも10%広い建築面積を確保することができます。
角地を所有している場合、この加算された建ぺい率によって、建物をより広く建築することができるというメリットがあります。
ただし、角地緩和の条件は自治体によって異なるため、対象の土地が緩和の要件を満たしているかどうかは事前に確認する必要があります。
建築を計画する際には、自治体や都市計画部署に相談し、建ぺい率や角地緩和の詳細な条件を確認することが重要です。
“隅切り”にも注意が必要
地方自治体によっては、建築制限として建ぺい率に加えて「隅切り」と呼ばれる制約が設けられる場合があります。
隅切りは、交差点の視界を確保したり、安全な曲がり角を確保するために、一定範囲で角の一部を建物のない空地にする必要があるものです。
隅切りが必要なケースや具体的な形状は、自治体ごとに細かな違いがあります。
また、道路としての取り扱いや所有者の土地としての取り扱いなどもルールによって異なるため、建ぺい率と併せて確認しておくことが重要です。
準角地の特徴とメリット
準角地は、角地と似た特徴を持つ土地の一種です。
角地と同様に、道路に接しているため、通行の利便性が高く、陽当たりも良い場合があります。
準角地のメリット
準角地とは、L字型の土地で、1つの道路に面した角地のことを指します。
角地と同様、準角地も日当たりが良いため、資産価値が高いというメリットがあります。
しかし、2方向の道路を利用できる純粋な角地に比べれば、利便性はやや劣ります。
そのため、固定資産税や相続税の評価額も安くなる傾向があります。
角地の購入を考える際には、準角地にも注目しながら探すことで、候補をより広範囲から絞り込むことができます。
まとめ
角地とは、二つの道路に面している土地のことを指します。
角地は、日当たりの良さや間取りの自由度の高さ、資産価値の高さなど、さまざまな魅力があります。
例えば、二つの道路に面しているため、窓を多く取り入れることができ、日光を十分に利用することができます。
また、建物の配置やデザインに自由度が高いため、自分の理想の間取りを実現することができます。
さらに、角地は資産価値が高いとされており、将来的な価値の上昇が期待されます。
しかし、角地にはいくつかの注意点もあります。
一つは、建築コストが高くなりやすいことです。
角地は二つの道路に面しているため、道路からのアクセスポイントが複数あり、それに応じた土地の整備や建物の設計が必要になります。
そのため、建築コストが高くなることがあります。
また、角地には高さ制限がある場合もあるため、建物の高さにも注意が必要です。
さらに、同じ角地でも方角によって日当たりの条件が異なることもあります。
南向きの角地は日照りがよく、日当たりも良いとされていますが、北向きの角地は日照りが少なく、日当たりも悪い場合があります。
そのため、土地を選ぶ際には、方角による日当たりの条件を考慮する必要があります。
建ぺい率の角地緩和や隅切りなどの制度も、角地を活用する上で意識しておくことが重要です。
建ぺい率とは、土地に建物を建てる際の制限値のことで、角地の場合は通常よりも緩和されることがあります。
また、隅切りとは、角地の片方の角を切り取ることで、建物の形状を調整する手法です。
これらの制度を活用することで、より有効に角地を活用することができます。
角地だけでなく、準角地にも目を向けておくと、土地の候補が広がります。
準角地とは、主要な道路には面しているが、裏側には道路がない土地のことを指します。
準角地を活用することで、道路に面した利便性と、裏側の静かさを両立させることができます。
以上、角地には日当たりの良さ、間取りの自由度の高さ、資産価値の高さが魅力的ですが、建築コストや高さ制限には注意が必要です。
また、角地には方角ごとに日当たりの条件が異なることや、建ぺい率の角地緩和や隅切りなどの制度にも注意を払う必要があります。
角地だけでなく、準角地にも目を向けることで、より多くの土地の選択肢を得ることができます。